一般講座 |アート・アニメーションのちいさな学校

一般講座「ねじ式」をつくる・人形制作クラス

つげ義春氏の不朽の漫画「ねじ式」をつくるプロジェクトとは

「ねじ式」は1968年に月刊ガロへ発表されました。この前衛的な作品は漫画史の中でも重要な位置を占め、今なお漫画家のみならず映画や美術など様々な作り手に影響を与え続けています。今回「ねじ式」をアニメーション映画に、それも人形アニメ/ストップモーションの手法で映画化しようと、2022年頃よりプロジェクトがスタートしました。プロジェクトのひとつの目的は、ちいさな学校の卒業生や作家のたまごが、オリジナル作品を制作したり、仕事をすることができる”スタジオ”を立ち上げることです。また同時に作品をつくる過程で、人形制作、ミニチュア美術、アニメートや撮影などのスタッフを育成することも目的としています。本講座は、人形アニメーションをやりたいと思っているすべての人へ向けた実習講座です。

まずはコマ撮り用の人形、そのオーソドックスなつくり方を学ぶ半年間の講座

ひとコマづつ動かして撮影するコマ撮りアニメーションの人形は、細かくポーズをつけることができるよう、人形の中に鉛などの金属線をつかったり、さまざまな材料を用いて作られています。この講座では、ちいさな学校の通年コースで教えているオーソドックスな人形のつくり方、動かすことを前提とした人形、芯となる骨組みから肉付け、衣装づくりまで、それらの基本を学びながら、およそ半年間で一人一体の人形を制作します。

初めての方も、プロを目指す方も。

基本的には初めて挑戦するという方を対象に、また自分でつくってみたものの中々うまくできない、工具や材料、制作場所がない等の方まで受講いただける、アニメーション用の人形づくり初心者の方向けの講座です。

今回の講座は、新しい取り組みとして、ちいさな学校が制作主体となっている人形アニメーション映画「ねじ式」での使用を前提にして人形を制作します。ですので、過去の講座では各人オリジナルデザインの人形を制作しましたが、今回は、各種の設定や条件など所定のデザインにて人形を制作します。また経験者や希望する方には、主要キャラクターの人形（アニメーター共同監督の野中和隆さん設計)の制作も予定しています。

人形アニメーション映画の制作、つくり手の育成～仕事にすることを目指して

「ねじ式」をつくるプロジェクトでは、実際に人形アニメーション映画「ねじ式」を完成させることと共に、そのための技術者・人形やミニチュア、アニメター等の作り手の育成を目的としています。そして将来的にはオリジナル人形アニメーションを恒常的に制作できる体制づくりを目指しています。初心者向けの講座ではありますが、プロを目指す方、そして映画「ねじ式」の制作へ参加したいという方も是非お待ちしております。

今回の講座で完成させた人形は、多くのエキストラ(人形)が登場する或るシーンの撮影に使用予定です。撮影は本講座とは別に実施。時期は2026年中を予定。

講座で制作した人形はお持ち帰りいただけます。ただし上記「ねじ式」撮影の際には人形をお借りする旨あらかじめご了承ください。その際にはアニメート撮影体験や、現場見学など様々予定しております。

「ねじ式」メインスタッフ

共同監督・脚本：才谷遼　共同監督・アニメーター：野中和隆　撮影監督：角井孝博

照明：泉谷しげる　人形制作:古賀智恵　美術制作：佐々木貴記　動画：地場賢太郎

VFX：中川晋介　協力：つげ正助　原作：つげ義春